弁護士紹介

高木 秀治


事例の目次

建築紛争の事例紹介1 コンクリートブロック基礎事件

事件受任に至るまで
 相談者は、リフォーム業界大手の施工会社との間で、自宅の増築等の工事請負契約を締結したところ、 壁の位置が契約に反するなどのトラブルが発生したため、 請負代金の支払いを一部拒否して、ご自身で施工会社と交渉されていました。
 ところが、その後、施工会社から請負代金請求訴訟を提起されてしまい、 私は、訴訟提起を受けた後に、相談者の事件を受任しました。
訴訟の流れ
 当方の協力建築士の調査によって、増築時に新設された基礎が、塀などに使用されるコンクリートブロックで施工されているという欠陥が発覚したため、 当方から施工会社に対して損害賠償請求の反訴を提起しました。 裁判の経過は、途中、裁判所が選任した専門委員(建築士)が加わるなどして、 地方裁判所から高等裁判所まで進みました。
 高裁の判決では、基礎工事のやり直し等に要する補修費用、補修期間中の仮住まい費用、引越費用、 建築士の調査費用、弁護士費用などが損害賠償として認められ、裁判は終了しました。
 施工会社の訴訟提起から高裁判決までの期間は約1年11か月でした。
コメント
 建築訴訟は専門性が高い訴訟類型ですので、交渉段階から専門家の協力が重要です。 また、損害賠償請求には権利行使の期間制限や時効などの法的問題があります。
 トラブルが発生した時は、できるだけ早いタイミングでご相談ください。

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建築紛争の事例紹介2 基礎コンクリート掘削粉じん事件

事件受任に至るまで
 相談者は、自宅のリフォーム工事について、建築士に設計・工事監理を依頼し、施工会社に工事を依頼していたところ、施工会社が発注したユニットバスのサイズが大きすぎて基礎に納まらず、あろうことか基礎コンクリートを掘削してしまったという事案です。
 室内でコンクリートを掘削した場合、非常に細かい粉じんが大量に舞い上がり、室内のいたるところに飛散しますので、その影響で、相談者の家族は、鼻づまり、眼の痛み、喉の違和感、頭痛、息苦しさ、胸苦しさなどを訴えるようになり、室内でもマスクが手放せなくなり、病院の医師には「アレルギー性気管支炎」と診断されました。
 このような酷い工事が行われたため、相談者は工事監理料と請負代金の支払いを一部拒否していたところ、設計者及び施工者からこれら費用の支払いを求める訴訟を提起されてしまい、私は、訴訟提起を受けた後に、相談者の事件を受任しました。
訴訟の流れ
 本工事には基礎の掘削の他に様々な瑕疵があり、当方から設計者及び施工会社に対して損害賠償請求の反訴を提起しました。ところが、相手方が基礎を掘削した事実を否認したため、「基礎を掘削したか否か」が最大の争点となりました。
 基礎を掘削した箇所はユニットバスの下にあり、工事後は見えなくなるため、ユニットバスを壊すことなく、どのようにして基礎を掘削した事実を立証するかがとても悩ましい事案でした。最終的には、キッチンの床に点検口を新たに設けて、そこから床下に侵入し、床暖房の下をかいくぐって浴室まで移動し、ようやくユニットバスの下に辿り着くことに成功しました。私もつなぎを着て潜りました。
 裁判所が現地調査に訪れたときは、工業用内視鏡カメラを用いて、ノートパソコンの画面から、裁判官がリアルタイムで掘削状況を確認できるようにするなど工夫したことにより、基礎を掘削した事実を証明することに成功しました。
 当方の立証が成功したため、裁判所から、当方に有利な調停案が提示されて、無事、調停成立に至りました。
 相手方の訴訟提起から調停成立までの期間は約2年2か月でした。
コメント
 建築訴訟には困難な課題がいくつもありますが、その1つが瑕疵の立証です。普段は見えないところの瑕疵を、できる限り建物が傷付くことのないよう配慮しながら調査し、必要十分な証拠を確保することに、いつも頭を悩ませています。

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建築紛争の事例紹介3 破壊的リフォーム事件

事件受任に至るまで
 相談者は、訪問営業に来た施工業者に対し、自宅の間取り変更を含むリフォーム工事を依頼しました。依頼の決め手となったのは、工事金額の安さでした。
 ところが、本工事では、間取り変更を理由に建物の構造上重要な柱や耐力壁が取り払われてしまい、筋かいや梁が削られるなど、極めて危険な破壊的リフォームが行われました。このように危険な工事が行われた原因は、建築の構造に対する施工業者の無知でした。
 相談者は、工事途中で施工業者から工事代金を二重に請求されたり、仕事のペースが遅かったことなどから不審に思い、相談に訪れたことで破壊的リフォームの事実が発覚し、私は直ちに事件を受任しました。
訴訟の流れ
 当方は、施工業者に対し、クーリングオフや消費者契約法による契約取消し(不実告知)などを主張して、支払済みの工事代金全額の返還を求める訴訟を提起しました。
 訴訟では、被害の重大性を考慮して、裁判所から早期に和解勧告がなされましたが、施工業者は零細事業者で資力がないなどと主張して、返還金の減額や分割払いなどを要求してきました。
 当方としては納得しがたい要求でしたが、一刻も早い被害回復の必要があったため、やむなく減額和解に応じました。
 訴訟提起から和解成立までの期間は約11か月でした。
コメント
 「安かろう悪かろう」という故事成語は、建築業界では比較的当てはまるように思います。工事金額の安い業者に依頼しても、工事に不備があれば補修が必要になり、結果的に高い出費となります。「安すぎる」工事見積にはご注意ください。

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建築紛争の事例紹介4 下水管漏水事件

事件受任に至るまで
 本件は、ビルの下水管の老朽化により漏水が発生し、テナントの店舗内が汚水に浸かったという事案です。浸水の深さは、浅い箇所でも約4㎝ありました。
 相談者は、ビルの管理会社が契約していた保険会社と自ら交渉しましたが、店舗の什器備品の交換費用が損害として認められず、清掃費用しか支払われないとの回答でしたので、困り果てていました。
 私は交渉事件として受任し、保険会社との折衝に当たりました。
交渉の流れ
 建物の配管が漏水した場合、民法717条の土地工作物責任により、配管の所有者または占有者が損害賠償責任を負うことになります。そこで、当方は、保険会社、ビルのオーナー及び管理会社に対し、店舗の什器備品の交換費用を前提とする損害賠償を請求したところ、保険会社が早くに折れて、交換費用が損害として認められることとなりました。また、一般に減価償却分は損害として認められないことが多いですが、当方の保険を併用したことで、ほぼ満額の交換費用を受領することができました。
 損害として認められた項目は、建物修繕費用、什器備品の交換費用、漏水対応のための物品購入費、清掃人件費及び営業損害です。
 交渉開始から示談成立までの期間は約4か月でした。
コメント
 保険会社との交渉は、弁護士に依頼することで有利に進むことがあります。また、その他に弁護士に依頼するメリットとしては、早期の事件解決や、交渉の負担からの解放なども期待できます。

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建築紛争の事例紹介5 崖崩れの責任の所在は?事件

事件受任に至るまで
 本件は崖崩れの事案です。事案内容は少し複雑です。第三者が所有していた畦畔(いわゆる「あぜ」という斜面部分)が大雨によって崩れ、畦畔及び上地の土砂が下地の住宅地まで流れ込みました。幸いなことに下地には流土止めが設置されていたので、土砂は住宅の直前で止まりました。
 しかし、大量の土砂を処理する問題と、さらなる崖崩れを防止しなければならない問題が残りました。
 土砂を処理する問題は、下地が新たに宅地造成された土地であったため、下地の住民の請求により、当該宅地造成を行った開発業者が土砂を撤去することになりました。
 ところが、この開発業者は、何故か上地の所有者に土砂の撤去費用の支払いを求める訴訟を提起したのです。
 訴えられた上地の所有者は、いわば被害者です。これに対して、後で判明することですが、本件崖崩れの原因は開発業者の開発行為(畦畔部分の切土及び樹木の伐採)によるものであるとの地盤の専門家の見解があり、この見解を前提とすれば、開発業者は加害者となります。つまり、本件は加害者が被害者を訴えた訴訟ということになります。
 畦畔部分のさらなる崖崩れを防止しなければならない問題は、本来であれば畦畔を所有する第三者が崖崩れを防止する措置を講じるべきですが、当該第三者が全く動かなかったので、やむなく上地の所有者が、自費を投じて新たに擁壁を設置して、当該擁壁の設置費用を開発業者に求める旨の反訴を提起しました。
 当初、上地の所有者には私以外の代理人弁護士が付いていましたが、依頼者曰く建築紛争に不慣れだったようで、ほとんど主張立証活動を行わず、上地の所有者本人が訴訟資料の大半を自ら作成していました。
 私は、この訴訟に関わった地盤の専門家の紹介により、上地の所有者の依頼を受けて、前の代理人弁護士と交代する形で、本件訴訟を受任することになりました。
 しかし、私が受任したときは、開発業者の訴訟提起から約2年6か月が経過し、裁判は調停に付され(付調停)、上地の所有者と開発業者が土砂の撤去費用を折半する旨の裁判所の調停案がすでに提示されていたという事件終盤の段階でした。
訴訟の流れ
 私はこれまでの当事者間の主張を全て整理し直して、そもそも本訴訟は加害者が被害者を訴訟提起するという不当訴訟であると主張して、崖崩れの発生機序について具体的かつ網羅的に主張した準備書面を提出しました。
 すると、裁判所は、異例にも一旦提示した調停案を撤回して、最終的には、開発業者が上地の所有者に対して解決金を支払う旨の調停が成立しました。
 開発業者の訴訟提起から調停成立までの期間は約3年1か月、その内、私が関与してからは約7か月でした。
コメント
 前の代理人弁護士の主張立証が十分でないとして、建築紛争に強い弁護士を探して私のところに辿り着く依頼者がいます。このような依頼者のほとんどは、最初、弁護士であればどのような事案でも対応できると思って依頼したところ、どうやらそうではないことが裁判途中で分かり、この段階でようやく弁護士の専門性を調べるようになったと言います。
 途中からの引き継ぎ案件は、すでに戦局が不利に傾いていることが多く、そのような状況から挽回することは、建築紛争の経験豊富な弁護士でも容易なことではありません。また、途中で弁護士を交代する場合、弁護士費用や主張立証の時間がその分余計に多くかかります。
 建築紛争などの専門性の高い訴訟を弁護士に依頼するときは、事前に弁護士の取扱分野を確認されることをお勧めします。

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建築紛争の事例紹介6 10年間雨漏り事件

事件受任に至るまで
 本件は、新築請負契約により建設された、地下1階鉄筋コンクリート造、地上2階木造の住宅で、地下1階外壁部分から雨漏りが発生した事案です。本件建物は引渡しから数ヶ月後に雨漏りが発生し、施工を行った工務店が何度か防水工事を行いましたが、破壊調査等の本格調査を行わなかったので、雨水の浸入経路を特定できないまま時間だけが経過し、終には10年間の瑕疵担保期間が経過する寸前となってしまいました。
 そこで、建物所有者は、私以外の代理人弁護士に依頼して、工務店を相手方として東京都建設工事紛争審査会に調停を申し立てました。
 しかし、当初の代理人弁護士でも雨水の浸入経路を特定できず、結局、調停は不成立となりました。
 私は、調停不成立となる直前に建物所有者から相談を受け、当初の代理人弁護士と交代する形で訴訟事件として受任しました。
訴訟の流れ
 訴訟を提起するにあたり、いくつか難題がありました。
 まず、消滅時効の問題です。建設工事紛争審査会の調停申立により時効は中断していましたが、調停不成立により手続が打ち切られた場合、その打切通知を受けた日から1か月以内に訴訟提起しなければ、時効中断の効力が失われてしまいます。言い換えれば、その短期間で、建物調査を行って雨水の浸入経路を特定し、訴状を作成して訴訟を提起しなければならなかったのです。幸いなことに、協力建築士の迅速な働きにより、破壊調査を行って、短期間で雨水の浸入経路を特定する目処が立ちました。  
 次に、工務店の資力の問題です。私が調査を行ったところ、すでに工務店は事実上廃業していました。間々あることですが、責任を追及する相手が廃業してしまった場合、強制執行ができませんので、たとえ勝訴判決を獲得できたとしても、同判決は紙切れ同然の価値となってしまいます(本件は住宅瑕疵担保履行確保法の施行前でしたので、同法の適用がありませんでした。)。そこで、工務店と共に代表者の個人責任を追及する訴訟を提起しました。
 瑕疵は様々主張しましたが、主たる争点は10年間継続する雨漏りの解決方法でした。当方は金銭解決を望みましたが、案の定、工務店には資力がなく、補修による解決しか選択の余地がありませんでした。
 雨漏りの補修で難しいのは、特定したはずの雨水の浸入経路を補修しても、他に浸入経路があれば、雨漏りを完全に止めることができないことです。そこで、和解協議では、完全に雨漏りが止まるまで補修を行うことを条件としました。具体的には、裁判係属中に防水工事を行うこととし、近年頻発する台風やゲリラ豪雨によっても漏水がないことを確認した上で、最終的に和解を成立させることができました。
 訴訟提起から和解成立までの期間は約1年11か月でした(補修やその後の経過観察の期間も含みます。)。
コメント
 瑕疵を考えるとき、「欠陥現象」と「欠陥原因」を意識しましょう。本件で言えば、「欠陥現象」は建物内に雨が漏ること、「欠陥原因」は雨漏りの浸入経路です。法律上の「瑕疵」は「欠陥原因」を指します。「欠陥原因」を是正しなければ、言い換えれば、雨水の浸入経路を是正補修しなければ、瑕疵はなくなくなりません。したがって、欠陥住宅問題を解決するにあたり、「欠陥原因」の特定は必要不可欠です。
 ところが、「欠陥原因」の特定のための調査やその是正工事に多くの費用がかかる場合、往々にして業者は、仕上等の表面的な部分だけを補修して、「欠陥現象」の雨漏りが止まったかのように見せかけて誤魔化すことがあります。
 こうなると、外見上は是正されたように見えます。しかし、雨水の浸入経路という「欠陥原因」はなくなっていないので、いずれ再び雨漏りという「欠陥現象」が発生します。このようなことを繰り返している間に、瑕疵担保責任の時効期間が経過してしまうことが少なくありません。
 繰り返しますが、欠陥住宅問題の解決には『欠陥原因』の特定が必要不可欠です。

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建築紛争の事例紹介7 ホールダウン金物折り曲げ事件

事件受任に至るまで
 本件は、業者から売買契約で購入した木造2階建ての新築建物について、建物が擁壁の上にあり、その建物の基礎が擁壁外面の際(キワ)まで張り出す形の跳ね出し基礎となっており、設計を行った建築士の話では、そこで使用されているホールダウン金物が、跳ね出し基礎の形状に沿って90度に折り曲げて施工されているという問題がありました。(ホールダウン金物とは、柱と土台または梁を接合するための金物で、地震等の外力によって柱が土台などから抜けてしまうのを防ぐ役割をもつ構造上重要な金物です。)また、設計図面に記載されている基礎の一部が実際には施工されておらず、擁壁の上に柱が直に載っているなどの問題もありました。 他にも細かな瑕疵はありましたが、大きな問題は基礎部分にあり、設計上及び施工上の瑕疵があることは明らかでした。
 購入者は、売主(設計者・施工者)に対し、問題がある基礎部分のやり直し工事を求めましたが、売主は、ホールダウン金物を折り曲げて使用しても問題はなく、補修するにしても追加のボルトとナットで締め付ければ足りるという回答でした。
 そこで、私は、訴訟事件として受任し、基礎のやり直し工事を前提とする補修費用、補修工事期間中の仮住まい費用、引越費用、慰謝料、瑕疵の調査費用、弁護士費用などの損害賠償を求める訴訟を提起しました。
訴訟の流れ
 被告は当初、訴訟でも瑕疵の有無を争っていましたが、早い段階で当方が主張するほとんどの瑕疵を認めて、主要な争点は損害論に移行しました。
 本件では、補修費用の立証にとても悩みました。想定される補修方法は、建物の基礎から上の上屋部分を仮受け柱で一時的に支えて、その間に基礎を斫り、ホールダウン金物を入れて、新たに基礎を作り直すというもので、施工の難度が非常に高いものでした。そのため、通常の工事単価では足りず、実際の工事単価はその何倍もかかることが想定されました。しかし、それがいくらになるのか、実際に補修工事を引き受けてくれる業者が見積りを行わなければ、正確な金額が分かりません。
 ところが、瑕疵がある物件を補修する場合で、とくに施工難度が高いときは、補修工事を引き受けてくれる業者を探すのにとても苦労します。裁判係属中となるとなおさらです。現に、依頼者は5社以上の業者に補修工事の見積りを依頼しましたが、全て断られてしまいました。
 そこで、やむなく、被告が補修することで事件を解決するという方法を探りました。
 しかし、難度の高い施工を被告が行うとなると、さらなる問題が発生するおそれがあるので、第三者の建築士が補修工事の設計責任を負い、別の建築士が工事監理(設計図書通りに工事が実施されていることを確認すること)責任を負い、被告がこれら設計料及び工事監理料を支払うことを条件としました。
 最終的には、上記条件に加えて、被告が、補修工事の設計及び施工上の瑕疵担保責任を負うこと、補修工事期間中の仮住まい費用、引越費用、瑕疵の調査費用の全額を負担することで和解が成立しました。
 訴訟提起から和解成立までの期間は約1年1か月でした。
コメント
 瑕疵の補修工事の見積りを行う場合、通常の工事単価よりも高くなることがあります。その理由としては、本件のように、既存建物が存在する状態で工事を行うことで施工難度が高くなることが考えられます。その他には、補修範囲が狭い部分に限られる工事が多いけれど、通常の工事と同様に職人等の人件費がかかるので、その分㎡単価が上昇すること、引受業者が少なく競争原理が働かないことなどが考えられます。
 本件の補修工事は、施工難度が極めて高いものでしたが、無事に工事完了の報告があり、事件解決に至りました。

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建築紛争の事例紹介8 隣家の工事によって家が傾いた事件

事件受任に至るまで
 本件は、隣家の建物の取り壊し・建て替えの工事期間中、当方の建物が傾き、壁と床との間に隙間が生じ、壁紙がよじれ、建具の開閉不良など様々な不具合現象が生じたため、隣家工事の施主や施工業者などを相手に損害賠償請求の訴訟を提起した事案です。
 当初、原告は私以外の代理人を選任していましたが、訴訟提起から約9か月が経過した段階で、訴訟の形勢が非常に不利になってしまったので、建築訴訟に詳しい弁護士を探して、私が受任することになりました。
訴訟の流れ
 被告である隣家の家主は、建築の素人ではなく一級建築士であり、本件工事の設計や工事監理に関与していました。そして、建築の素人である原告のことを甘く見て、「工事が建物に影響した証拠は存在しない」、「建物が傾斜したのは老朽化が原因だ」と声高に主張していました。
 原告にとって厳しかったのは、すでに工事が完了していたので、過去に不適切な工事があったことを裏付ける新たな証拠を入手できないことでした。
 しかし、それでも、建物の傾斜が発覚した時期が工事の時期と非常に近接していた事実や、原告が工事中に撮影した数少ない写真、老朽化では生じ得ない壁紙のよじれ方などを根拠に、隣地の掘削時に周囲の地盤が崩れないよう支えるための山留工事に不備があり、当方の建物が傾斜したことを立証しました。
 そして一審判決は、隣家の山留工事によって当方の建物の基礎が沈下した事実を認定し、原告は辛くも勝訴することができました。 その後、被告は控訴しましたが、当方が徹底的に反論したことで、あきらめて控訴を取り下げ、一審判決が確定しました。
 訴訟提起から一審判決までの期間は約3年8か月、その内、私が関与してからは約2年6か月でした。また、被告が控訴してから控訴取下までの期間は約5か月でした。
コメント
 本件は欠陥住宅裁判の中でも特に難しい要素が2つありました。
 1つは、地盤の問題です。建物の欠陥であれば、通常の建築士の専門的知見で対応できますが、地盤の問題となると、構造に詳しい建築士や地盤の専門家の協力を必要とします。
 もう1つは、隣家の工事の問題です。自宅の欠陥であれば、自宅建物を調査すれば不適切な施工を確認できますが、隣家の工事となると、当方の建物を調査しても、それだけでは不適切な施工を確認するのは困難です。また、相手方は不利な工事記録を隠してしまいます。本件でも、裁判所に促されてようやく提出された記録は、そのほとんどが黒く塗り潰されていました。
 裁判は長く辛いものでしたが、最終的には「天網恢々疎にして漏らさず」を達成することができて、依頼者にはとても喜んでもらえましたし,私にとっても感慨深い事件となりました。

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建築紛争の事例紹介9 外壁剥落、請求認諾事件

事件受任に至るまで
 本件は、集合住宅のガルバリウム合板サイディングという非常に大きな外壁材が、風に煽られて剥がれ落ちてしまい、外壁材を留め付けるために使用されていた釘の長さが短かったことから、施工業者及び工事監理者を相手に外壁材の貼替工事代金を請求した事件です。
 建物の引渡しから訴訟提起までに約14年が経過しており、瑕疵担保責任の消滅時効がすでに完成していたので、不法行為責任に基づいて損害賠償請求しました。
訴訟の流れ
 当初、剥がれ落ちたガルバリウム合板サイディングの貼り方のみを問題としていましたが、この外壁材は実は意匠用であり、その下には防火などを想定した窯業系サイディングの外壁材が存在しており、この外壁材の貼り方にも施工不良が存在したため、両方の外壁材の貼替工事代金を請求するという請求金額の拡張を行いました。
 また、裁判所を通じて外壁材メーカーから当時の施工要領書を取り寄せたり、弁護士会を通じて外壁材メーカーから意見を聴取したりと、いろいろと工夫して主張立証したことで、最終的には、裁判所は当方が主張する施工不良を認める旨の心証を開示してくれました。
 裁判の経過として、相手方は当方の主張を徹底的に争ってきましたが、裁判所が施工不良を認める心証を開示したことで態度を一変させ、当方が主張する請求金額について、遅延損害金まで含む全額を一括で支払う旨の和解を提案しました。 しかし、依頼者の強い意向により、当方があくまで判決を求めたところ、相手方は請求認諾をして白旗を揚げたので、完全勝訴により訴訟終了となりました。
 訴訟提起から請求認諾までの期間は約2年9か月でした(新型コロナウィルスの影響により、途中で7か月ほど裁判の進行が止まりました。)。
コメント
 建築訴訟において、これまでに勝訴判決や勝訴的の和解というものは経験してきましたが、請求認諾による勝訴は初めての経験でした。
 近年、情報が瞬時に拡散される情報化社会となったことから、施工業者が裁判所による施工不良の認定をおそれて、当方の請求をほぼ全て認める形で解決する事例が増えていることを実感しています。
 新型コロナウィルスによる影響もあって裁判は長期戦となりましたが、その分だけ遅延損害金を含む賠償額が膨らみ、最終的には請求金額を拡張した後の元本の約1.8倍もの支払いを受けることができたので、依頼者にはとても満足してもらえました。

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建築紛争の事例紹介10

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